カサメリ沢サーキット(?)

2022.5.28-19、瑞牆のカサメリ沢でスポートルートをやったときの記録。写真あんまり撮れなかったので、文章も少なめで….

5.28

9時ごろ、不動沢駐車場に到着。

パートナーも自分も、今日が初めてのカサメリ沢。瑞牆本でアプローチを確認して出発。

モツランド→コセロック→コロッセオと一通り岩を観察。シーズンの岩場、さすがに人が多い。

コロッセオなら、自分はNDDなど、パートナーはトレビの泉や真実の口など、ちょうどいいグレードが多そうだと思っていたが、やはり人が多い。到着した時点でトレビの泉は4人待ち?とか言っていた。待機できる場所も少なく居心地が悪そうだったので、コセロックへ戻ることに。

コセロックも、すでに人気ルートはヌンチャクがかかっていたので、ヌンチャクのかかっていない「ネコのヒゲ」5.10bからトライ。15mで、終了点含めて4ピン。3ピン目付近のクラックが途切れるあたりが悪く、5.10bにしてはだいぶ難しく感じた。なんとなくマントルまで返した。OSして回収。

パートナーの「ネコの手」5.10b「トータルリコール」5.10bなどのビレイをする。ネコの手はOS、トータルリコールは苦戦していた。

今回の主役はパートナーで、目標は「たくさん登ってたくさんマスター、回収すること」らしい。素晴らしいですね。やっぱりマスターや回収などの一連のワークが自分の責任でできない人は、どれだけ強くても自立したクライマーとは言えないからね。自分も難しいルートをまる二日撃つわけにはいかないので、1~2トライでできそうなグレードでサーキット気味に登ることにした。

先客にお断りして、 ヌンチャクのかかっていた「ワニワニワニ」5.11bにトライ。顕著なカンテを抱え込む。とは言っても、カンテの左右に下に引けるホールドが結構あるので、見た目よりやすい。終了点直前まで行くが、ホールドが突然なくなりテンション。ヌンチャクの所有者の方が、「終了点手前を右に巻いて5.11bだ」と下から教えてくれた。なるほど、確かにそれならそんなに難しくなさそうだ。
しかし、一度できかけたムーブができないからと言って右に巻くのも癪だし、別に直上も不可能ではなさそうだったので、直上のムーブを出してみた。エッジと結晶をめちゃくちゃファットなピンチとして右手で持ち、左足も小さいエッジにヒールで、左手デッド、その後に右手で終了点直前のガバにデッド、という感じになった。これはこれで面白いのでこのムーブで登ることにする。

時間を置いて2トライ目、OSトライのムーブを思い出そうとして逆にうまくいかなくなる現象が生じるが、現場処理で誤魔化し核心に到達。左ヒールがうまくかからずモタつく。左手デッドは成功。保持が甘いが、次はガバなので無理矢理右手をガバにデッド。止まった。
あとは終了点にクリップだが、ロープを持とうとした瞬間に足が抜けてフォール。結構落ちた。かなりもったいないことをしてしまった。
右手は水平のガバ棚だったが、足がほぼスメアだったので、右手のパワーがなくなって、足を押しつける力が弱くなり落ちた感じだった。もはやマントル返しとけばよかったかも。

パートナーがトータルリコールをRPしたのを見てから、またまたワニワニワニにトライ。今度は全て完璧にこなしRP。
トポには「最終クリップを右に抜け5.11bだが、カンテ沿いに限定するとグレードが一気に上がる」と書いてある。カンテ限定で 5.11dくらいだろうか?核心は花崗岩のボルダーグレードだと4級くらいに感じるが、その手前でかなりレストできるので、5.12はないんじゃないかなと思う。

その後、「癒し系ルートやりたいね」ということで、二人で納涼岩の「トラバント」5.9にトライ。はじめはパートナーがマスターしてくれるということだったが、1ピン目前のムーブが起きずに交代。1ピン目の下がまさしくカサメリ沢なので、ミスったら濡れるかもしれないという緊張感がある。
自分は流石に問題なくOS。傾斜も緩く、ホールドも明らかにあるのだが、ホールドの配置が絶妙で、見た目よりも難しかった。結晶を握って結晶に立ち込むようなムーブが出てこない代わりに、ハイステップやアンダーでのムーブが出てくるので、結構インドアチックなスラブのテクニックを使う感じ。

その後パートナーもRP。ちょうど18時くらいで日も暮れ始めていたので撤退。

5.29

前日に「やっぱり左稜線とかやろうよ」と突然の妄言を言ってみたのだが、普通に断られて昨日と同じく同じくカサメリ沢。

今日はモツランドから。まずはパートナーの「たぬき」5.9 をビレイ。乗っ越しが悪そうにしていた。

自分はトポを片手に色々偵察し、「プラチナム」5.11bをトライ。モツランドの下流側右奥の綺麗な白いうフェースを登るルート。効いたり効かなかったりするカンテの近くにガバカチがいい間隔で連続している。マスタートライ、ガバカチを握り、時々カンテを効かせたりしながら、気持ちよく高度を上げ、マントル手前まで行くも、最後のムーブを見誤り、雑にリップにデッドしたら止まらず大フォール。もったいないことをした。

その後パートナーの「ミルクミルク」5.10bをビレイしたりしながらプラチナムをもう1トライし、完登、回収。パートナーは苦戦しつつもミルクミルクを完登していた。

昼ごろ、人があまりいなそうなオランジュ岩へ移動。

先客が2人おり、鳳凰5.13bをトライしていた。

コロッセオやモツランドとは違い、壁にスケールがありとても楽しそう。登攀意欲のそそられる壁。

まずは「はるな」5.11cから。なんとOS。OSグレード更新。嬉しい。

あまり覚えていないが、花崗岩垂壁っぽい、体を破壊しそうなムーブの連続だった。最後の傾斜が緩くなるポイントで、支点を足下にした状態で完全にノーハンドの立ち込みになり、これは結構怖かった。後からわかったことだが、途中のムーブは高身長有利(というか小さい人にはかなり厳しい)らしい。どこだろう?

はるなの終了点から上にはさらに壁が続いており、はるなからそのエクステンション部分を続けて登ると「ごっくん小僧」5.12aになる。せっかくなのでそのまま登り続けてみることに。

しかし途中のポケット付近のムーブがかなり難解で、かつ難しくフォール。おそらくそこが核心なのだが、そこで落ちるとかなり落とされる。解明に時間がかかりながらなんとか突破。その後終了点直下でもテンションを入れ、ごっくん小僧は惨敗。次やっても登れる気がしなかったので回収。

次にパートナーの「ちちくりマンボウ」5.10cをビレイ。トポによれれば、なにやらたくさんのムーブが立て続けに出てくる名作らしい。下からだとあまりよくわからなかったが、確かにジャミングをしたり繊細っぽいトラバースをしたりしながら登っている。面白そう。

しかし途中で行き詰まってしまい、懸垂支点から敗退して回収。

はるなをOSできたにも関わらず、ごっくん小僧でメンタルをだいぶやられてしまった自分は、もう一度自分を奮い立たせて、星三つの「ギャラクシアン」5.12aにトライ。

途中まではなんとか集中力で乗り切ったが、普通に途中のムーブができずテンション。そこからはひどいもので、各駅停車&各駅停車、もうほとんどクライミングのメンタルではなくなってしまい、エイドを交えながらなんとかトップアウト。もちろん回収。メンタル的にも技術的にも完全に「負けた」トライだった。

やはり花崗岩の垂壁、スラブは恐ろしい。ボルトルートでこんなに怖いのだから、PDとかRとかつくルートって本当にとんでもないんだろうな…..

成果もあったが、課題もはっきりとした、実りのあるクライミングだった。

ルートも雰囲気もとても良かったので、また来たい。もう少し人のいないときに。